「作品との出会いは生き方を、ヒントを提示してくれる、でも自分を作るのはあなたです。」小気味よいチャーミング口調で革作家キクチメグミさんは語る。その言葉が一番強い印象となった。
(写真)キクチメグミさん提供。過去発表作品
都内を中心に全国に革作品を発表するキクチメグミさん、一緒に活動した作家たちとニューヨークで作品発表したこともある、発表形式は革作品であるが、ジャンルを問わないエネルギッシュな表現が持ち味の作家だ。
作家名もカタカナでシンプルな響き。迷いなく輪郭を区切るように、クリアな言葉で語る彼女、最後には彼女の世界観にすっかり引き込まれるようになっていた。
インタビュー時期はコロナが少しづつ声高に、緊張感をもって囁かれ始めたころ、雑踏の街の風格のある古い喫茶店で彼女が持っていた彼女の手製のバッグと仕上がってきた作品のお迎えを兼ねて、作品についての思いや制作背景を伺った。 昨年聞いた話だが、真夏の間、エアコンもつけずにただ一心不乱に線を追っていたことがあった、彼女の相棒は革作品を仕立てる特別なミシンだという。
「ミシン命」
彼女からおくられたDMに書いてあった一言、彼女自身をよく表している言葉。うねるようなステッチと裏地からの色が表現に染み出してくるような勢いと盛り上がりは革をキャンバスにみたてたドリッピングアートや抽象的絵画のような表情をしている。
身にまとうアート、そう表現したい作品。
「作品みたいに自由でありたい」
その対象が革の画面であり、自由奔放に幾重にも色糸を重ね、絵画のような表情と生地のリズムを生み出してゆく。
革という素材からくる温かさ、滑らかさ、そこから感じ取るエネルギーはキクチメグミさんそのものだ。
キクチさんはあまり自身についての経歴を語らない、作品とは対照的にとてもハキハキと明るいが、控えめな態度で、一緒に活動する作家たちに100%寄り添う気持ちで活動しているという。
自身は独学の作家だと語る、制作をはじめたきっかけは試作品のように始めた作品がある人の目にとまりギャラリーへの届け物があったこと、それが始まり。
いつ、どこで、だれに会う、それが人生の岐路にあたること。今日、このインタビューの
可能性もあるのだ。ギャラリーでの出会い、大きく自分を変えた瞬間、そう語ってもらった。
このインタビュー記事を読んでる貴方が、ギャラリーに足を運び、でキクチさんの作品に触れ、彼女と語ることで人生が大きく変わる可能性もある。
10月23日から29日まで(11時~18時、最終日17時まで。)千葉県市川市のギャラリールマニでキクチメグミさんと2人の作家による
「Invention3Voci」が開催される。
自身を探す、求める、自由の形を体験しに是非ギャラリーへ足を運んでくださればと思う。
在廊日は24日・25日13時から。
写真・燈tomori編集部
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©Gallery Le Mani